最新刊「進撃の巨人」の21巻をわかりやすく解説してみた(考察・ネタバレあり)
12月9日に発売された「進撃の巨人」の最新刊21巻。僕の周りではちょっと難しかったという声を聞いたので、21巻のあらすじを振り返りながら考察をしていきたいと思います!ネタバレ・感想を含むので、まだ進撃の巨人の21巻を読んでないという人は読まないように気をつけてください!
*事実関係など、多少思い違い、読み違いもあるかと思います。推測や個人の感想も含まれていますので、あくまで参考までにということでお願いします...。
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まずは、前回までの進撃の巨人...
20巻は、調査兵団vs獣の巨人たちの戦いのクライマックスでしたね。リヴァイは獣の巨人をあと一歩のところまで追い詰めました。
ミカサたちは、ライナーを確保。そして残りの超大型巨人は、弱点を見抜いたアルミンが命がけの陽動作戦を決行。ついに決着がつきました。しかし、特攻した兵士たちはほぼ全滅し、エルヴィン団長も生死不明。熱風を浴びたアルミンは丸焦げになり、無残な姿に...。と、いうところで終わりましたね。ではその後一体どうなったのか。
忘れた人は、講談社の公式PVを見て臨場感を思い出しておくと良いかもです♪
まず、今回の事実関係の整理
今回起こったこと、わかったことをまとめると次のようになります。
起こったこと
まず、巨人化できる注射をアルミンに打ったので、アルミンは生き返ってベルトルトを食べました。
- アルミンはエレンのように巨人化できる人間になった。
- ベルトルトとエルヴィン団長は死んだ。
ライナーは獣の巨人に連れ去られたのでまだ生きていますね。
その後、エレンの家の地下室にようやくたどり着きました。
地下室でわかったこと
- 外の世界では人類が優雅に暮らしている。
- 外の世界はマーレ人が支配し、エルディア人は支配されている。
ここで、エレンの父グリシャはマーレに支配されていたエルディア人で、エルディア復活のために活動してたエルディア復権派のリーダーだったということがわかりました。
そして21巻の最後では、
- 獣の巨人(ジーク)はエレンの父グリシャの息子だった
- グリシャはジークに密告されて「楽園送り」にされた
ということが明らかになりました。
そして、21巻はグリシャが息子ジークに密告され楽園送りにされるところで終わっています。
主張が異なるエルディアとマーレ
なぜエルディア人は虐げられ、支配されているのかについての背景が少し難しかったと思う。説明も長かったので。
この歴史についてはマーレ側の主張とエルディアの主張が食い違っているので余計に分かりにくかったと思います。
どちらが真実かはまだ分からなかったのですが、わかることをまとめてみます。
その前に
いろいろ名前が出てきて混乱するので、整理しておきましょう。
- マーレ
- エルディア
まずこの二つは国の名前です。
マーレ国の人はマーレ人。エルディア国の人はエルディア人ですね。
漫画の中だとマーレとかエルディアとしか言わなかったりしてだんだん分からなくなってくるのですが、日本、日本人。アメリカ、アメリカ人と同じです。
- ユミル・フリッツ
- ユミルの民
そしてユミル・フリッツは祖先の名前です。
なので、エレンたちと一緒にいた「クリスタ私と結婚しよう」と言っていたユミルとは別の人間です。
そして、巨人になる力を持ったユミルの子孫=ユミルの民です。ユミルの民がエルディア国を築いたのでエルディア人でもありますね。
最初は、ユミルの民=エルディア人と考えて読んでいくほうが分かりやすいかもしれないです。
マーレ人の主張
前提をざっくりいうと、
- ある日、「ユミル・フリッツ」が大地の悪魔と契約して巨人の力を手に入れた。
- このユミルが死んだ後は「9つの巨人」に魂を分け、エルディア帝国を築いた。
- そして、古代の大国だったマーレを滅ぼして大陸の支配者になった。
ということらしいので、昔はエルディアが支配者だったみたいです。
そして、巨人になる力を持った「ユミルの民」は他の民族の土地や財産を奪い、ユミルの民を産ませるといった民族浄化を1700年間続けました。(この民族浄化は1992年-93年にかけてのボスニア紛争の時に実際に起こっています)
つまりは、マーレの歴史ではエルディアが悪だということです。
巨人大戦にマーレが勝利して逆転
そこから、マーレが内部工作をして
- 内戦を起こし、エルディアを弱体化
- 9つの巨人のうち7つの巨人の力を手に入れる
- 巨人大戦に勝利して逆転
そしてマーレは平和を取り戻した、ということである。
エレンたちが暮らしていた壁の中の正体
ここで、エレンたちが暮らしていた壁の中の正体が分かった。
巨人大戦に負けたエルディア国のフリッツ王は島に逃げ込んで、そこに三重の壁を築いたと言っている。
つまりエレンたちが暮らしていた壁の中の世界は、巨人大戦に負けて逃げこんてきたエルディア人たちだったということがここで明らかになった。
ただしここでは、
- 島に逃げ込んだ王と国民は壁の中
- 取り残されたエルディア人は大陸にいる
という感じにわかれている。
グリシャは取り残された方なので、マーレ人に支配されて暮らしていた。
エルディア人の主張
一方でエルディア人の主張は全然違っている。
ざっくり結論からいうと、
- 始祖ユミルは、ある日巨人の力に目覚めた
- 荒地を耕したり橋を架けたりして、人々を豊かにした
だから、
- マーレの言ってることは嘘で、本当の悪魔はマーレ
- エルディアを復活させて世界を正す(エルディア復権派の人たちがこれ)
ということらしい。
というようにマーレとエルディアの主張は違っているのですが、まだどちらが本当なのかは分かりません。
巨人大戦が起こった理由...
エルディア復権派において、重要な役割を果たしていたのがマーレ政府の内通者「フクロウ」でしたね。そしてそのフクロウが連れてきたのが王家の血を引くという女性、ダイナ。のちにグリシャと結婚して息子ジークが生まれます。(ジークはのちの獣の巨人)
このダイナの告白によって
- 始祖の巨人はすべての巨人を操る力を持っている
- その力を持つフリッツ王は戦いを放棄して島に移った
ということが明かされました。
これによって、巨人をコントロールする人がいなくなったので、残りの8人の巨人で争いが起こりました。これが巨人大戦です。つまり、王が役割を放棄したせいで巨人大戦が起き、負けたエルディア人は惨めな思いをしているということになります。
そしてダイアのこれらの話からグリシャたちエルディア復権派は、
始祖の巨人の力を取り戻し、マーレを倒してエルディアを復活させようという方向に向かっていくわけです。
動き出したマーレ政府
エルディア復活のために、始祖の巨人を手に入れようとしていたグリシャたちでしたが、先にマーレ政府が動き出します。
島の壁の中にいたフリッツ王が宣戦布告してきたという理由で戦士を募っています(本当は島の資源を奪いたい)。この戦士というのは、マーレ政府が持っている7つの巨人を受け継がせるための人材で、巨人の力を使ってフリッツ王のいる壁の中に乗り込み、始祖の巨人の力を奪おうという作戦です。
兵士ではなく、戦士
ここで注目したいのがこの"戦士"というキーワード。
そして、壁の中に乗り込むということ。
これらのことから、壁を破ってエレンたちの街へ入ってきたベルトルト、ライナーそしてアニは始祖の巨人の力を奪うためにマーレの戦士となったエルディア人だったということが推測できるのではないでしょうか?(たぶん)
ベルトルトはライナーに「俺たちは兵士じゃない、戦士だ」というシーンもあったし、皆が言っている「帰りたい」という言葉から考えても、アニたちはマーレ政府がユミルの民から募った戦士だった。そして、戦士となった者の一族は「名誉マーレ人」となってマーレでの自由が保障され、虐げられている生活から解放されるという。
アニ父親のシーンが出てくるあのシーンの意味...。
そうなると、アニはなぜ幼い頃から父親にひたすら訓練させられていたのか、父親はなぜ泣きながらアニを送り出したのかも分かるのでは。
それは、アニが戦士に選抜されて、一族がマーレ政府の弾圧から自由になるためだったと考えられなくもないです。
推測できること
ここからはあくまで、推測でしかないので確かなことはわかりません。
たぶん、ユミルの民が1700年も民族浄化を行なったというのは嘘だと思います。嘘の歴史を教えて国民を洗脳するというのは、現実でも昔からありそうな話ですね。
おそらくエルディア人には罪の意識を植え付けるため、マーレ人には自国の黒歴史を隠すための嘘だと思います。1700年間も巨人に蹂躙されて生き残れる人間がいるでしょうか?エレンたちのいた街の壁は巨人の力を使って作ったもの。でも、それができたのは始祖の巨人の力を持っていたから。その力を持たないマーレ人は、壁の中に逃げることもできない。生き残る可能性は低いでしょう。
そして、戦士になった者の一族は「名誉マーレ人」として自由を保障するというマーレ政府。たぶんこれも嘘だと思う。
この名誉なんとかっていうのが、怪しいですね。コードギアスでも「名誉ブリタニア人」というものがありましたが、形だけに過ぎない。ましてや、エルディア人のユミルの民は、巨人となってマーレ人を民族浄化していた(あくまでマーレの歴史上は)。その恨みからエルディア人はレベリオ収容区に住まわされて、酷い仕打ちを受け、「悪魔の血」と呼ばれている。そんなところに名誉マーレ人の称号を与えたところで意味がないでしょう。というよりも、たぶんマーレ政府はそんなことは分かっていて、始祖の巨人の力を奪うためにエルディア人、ユミルの民を利用しているに過ぎないと考える方が自然かもしれません。
まだ分からないこと
- ライナーが持っていたユミルからクリスタへの手紙の内容は?
- なぜ王は役割を放棄して島に逃げたのか?
- 本当の歴史はどっちが正しいのか?
そして、
- エレンやミカサたちと
- ジーク、アニ、ライナーたち。
どっちが正しいのか?
ただ、獣の巨人ジークはエレンに会った時に
「俺たちはあの父親の被害者...お前は父親に洗脳されている」
「いつかお前を救い出してやるからな」
と言っています。この様子からだと嘘をついているようには見えないし、本当にマーレ政府に騙されているのか、それともジークやアニたちが正しいのか。その辺はまだまだわからないですね。
最新巻の続きが読める
実は、最新巻と同時に別冊少年マガジンが発売されていて、すぐに続きを読むことができます。そして2話分が一冊に収録されているので、それならと続きが気になって買ってみました。
- フクロウの正体とは誰なのか?
- なぜ、ジークは密告したのか?
- 巨人化の力を手に入れた者がかかる呪いとは?
といったことなどが明らかになってきます。
そして、マーレの主張には嘘が含まれていそうな感じがしました。でも、エルディアの主張も100%真実ではないような感じでもありましたね。
詳しくは読んでみてください。
別冊少年マガジン 2017年1月号 [2016年12月9日発売] [雑誌]
- 作者: 絵本奈央,岡田麿里,諫山創,金田陽介,押見修造,赤松健,カワグチタケシ,伊十楽,大山タクミ,笹古みとも,スパイク・チュンソフト,おにお,長門知大,ガクキリオ,山口アキ,長田龍伯,カツヲ,ナユタン星人,寺田てら,佐藤友生,山口ミコト,荒川弘,田中芳樹,めいびい,貞松龍壱,ヒロユキ,片山陽介,コーエーテクモゲームス,奈良一平,水あさと,奈央晃徳,山川直輝,広橋進,二駅ずい,遠田マリモ,伊奈めぐみ,宮島雅憲
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来年の4月からはアニメの二期が放送されることが決まりましたね♪一期のアニメのクオリティはめちゃめちゃ高かったので二期も楽しみですね。
では!
まとめて読みたいときは全巻セットがおすすめです。
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